商品詳細
ローズカットダイヤモンドの周りを10個の天然シードパールが囲む、美しいクラスターリングをご紹介いたします。19世紀後半にフランスで制作されたもので、花を思わせるトップのデザインと幅広のシャンクが特徴の、とても存在感のあるゴールドリングです。
クラスターリングは、フランスではマルグリット(marguerite)リングやポンパドール(pompadour)リングなどと呼ばれています。特に真円のものはマルグリットという名前が使用されることが多く、ポンパドールは楕円形のものに使われることが多いようです。このあたりの呼び名については、アンティーク物語『アンティークリングの少しややこしい話』で解説していますので、お時間があるときにぜひご覧になってみてください。
マルグリット(marguerite)はフランス語でマーガレットの意。私はこのリングを見て、むしろ「ひまわり」を連想しました。金色の台座、びっしり連なったパール、真正面からも見える広がったセンターストーンの爪。小さな花びらと大きな花芯を思わせるデザインが、そのような印象を抱かせたのでしょう。華やかな花のイメージに従い、リングの輝きがより一層強調されるよう、シャンクや台座のゴールドは通常より念入に磨きました。ただし、家族はマーガレットやヒナギクを連想しましたので、どの花をイメージされるかはご覧になる方によって異なるかもしれませんね。
センターのダイヤモンドをシードパールで囲んだデイジー型クラスターは19世紀後半を通じて見られる定番のデザインです。1890年代に入ると、ミルグレイン装飾やプラチナ主体の繊細なセッティングが増えていきますので、幅広のゴールドシャンクとショルダーの整然としたスクロール彫刻が組み合わさった本品は、19世紀後半の中でも、1880年代以前の製作と考えるのが最も自然でしょう。
ゴールドの色味は19世紀のアンティークジュエリーらしく、ややローズ寄りです。シャンクには、フランスで18Kを示すフクロウの刻印が押されています。フクロウ刻印についていは、アンティーク物語『フクロウ(Hibou)はフランス刻印のジョーカー?』をご参照ください。このタイプのゴールドリングはシンプルな造りのものが多いのですが、本リングにはオープンワークの台座や唐草模様が彫られたショルダー装飾があしらわれ、手の込んだ仕上がりとなっています。
センターに留められたダイヤモンドはあえて表現するのであればローズカットですが、原石の風合いを残した、19世紀らしい素朴なカットです。左右対称の整ったカットではないながらも、ダイヤモンドらしい鋭いエッジが、力強い存在感を放っています。センターストーンを取り囲むパールはもちろん天然のハーフパール。いずれもオリジナルの粒ぞろいで、今なお美しい照りを保っています。天然真珠にご興味のある方は、ぜひアンティーク物語『アンティークジュエリーと真珠:天然から養殖への歴史』もお読みになってください。
素朴なカットのダイヤモンドと、美しい照りを湛える天然のハーフパール、そして肌に馴染む温かな色味のゴールド。決して豪華な素材をふんだんに使っているお品ではありませんが、150年近くの時を経た今もなお、美しい輝きと19世紀らしい素朴で豊かな表情を保ち続けています。手元に咲くあなただけの特別な一輪として、日々に彩りを添え、末永く寄り添う存在となれば幸いです。唯一無二の豊かな表情を、ぜひお手元で愛でてみてください。