商品詳細
1920年代にフランスで制作された、大ぶりのオールドヨーロピアンカットダイヤモンドが留められたソリテールリングです。リングの素材はプラチナ950で、シャンクにフランスの犬の頭の刻印が押印されています。同時代に流行したシルバー色系素材のホワイトゴールドは、ややイエローのニュアンスを感じさせる柔らかさが特徴。シャープなシルバー色をお好みの方には、プラチナ製のリングがおすすめです。
このリングの最大の魅力は、ダイヤモンドの存在感でしょう。直径は最大の部分で5.3mm、クラウンもパビリオンも非常に厚みがあり、全体の高さは約4.5mmにも及びます。これほど高さのあるバランスのものはそう多くありません。オールドヨーロピアンカット専用の換算式に当てはめると、想定重量はおよそ0.7カラットに達します(直径は最小部との平均を使用)。オールドカットダイヤとしては非常に珍しいビッグサイズです。
ややクッション気味のシェイプながら、長短差がさほど大きくないため、オールドマインカットではなくオールドヨーロピアンカットと表現しました。完全な真円でないアウトラインは、アンティークジュエリーらしい、手作りならではの魅力といえます。”demi-taille”(トランジションカット)ではない純粋なオールドカットですので、もちろんキューレットは大きめです。
アールデコ初期のソリテールおいては、フランスで”chaton soleil”(シャトン・ソレイユ、太陽の台座)とも呼ばれるバターカップ台座は、比較的小さめでした。本リングもその典型といえる控え目サイズで、小さな台座がダイヤモンドの大きさを一層引き立てています。また、シャンクや台座がミニマルなデザインであることも、ダイヤモンドの存在感を際立たせる要素であるといえるでしょう。
「ソリテール」(Solitaire)はフランス語で「単独」を意味し、ジュエリーの世界では一粒の宝石(特にダイヤモンド)をシンプルな爪で留めた指輪のデザインを指します。宝石に多くの光を取り込み、その輝きを最大限に引き出すこのスタイルは、婚約指輪の定番として世界中で愛されているリングスタイルです。ソリテールリングの代表格としては、ティファニーが1886年に発表した「ティファニー・セッティング」がよく知られており、その後のダイヤモンドリングのスタイルに多大な影響を与えました。
バターカップ台座を使用したアールデコ期のソリテールは、シャンクに彫りこんだ爪で宝石を持ち上げる19世紀のベルチャーセッティングがベースになっているといわれていますが、ティファニー・セッティングにも影響され、独自の進化を遂げているのです。
本リングの最大の魅力は、やはり自己主張の強いオールドカットのダイヤモンド。目立つキューレットを持つ大ぶりのダイヤモンドと、ミニマルなリングデザインが見事に調和し、ひと目でオールドヨーロピアンカットダイヤを留めたアンティークリングだとわかります。アンティークらしさを大切にされる方に、ぜひ手に取っていただきたい特別な逸品です。
指輪のサイズ直し(ご購入時初回は無償)をご希望の場合は事前にご相談ください。ご希望のサイズにリフォーム可能かお調べいたします。ご自分のリングサイズの調べ方はこちらの記事でご確認ください。