商品詳細
1920年代にフランスで制作されたアールデコ期のアンティークリングです。まず目を引くのは、白銀に輝くホワイトゴールド製台座のデザインの細かさといえるでしょう。マーキーズ型の周囲をミル打ち細工で縁取りされた台座のアクセントになっているのはアールデコ期のジュエリーらしいライトなオープンワーク。いずれもオープンセッティングで留められたメインストーンのダイヤモンドとカリブレカットのシンセティックルビー(合成ルビー)が対照的な美しい色のコントラストを奏でています。ショルダー部にも同様に細かいミル打ち装飾が施されており、イエローゴールド製のシャンクにはフランスで18Kゴールドを示す「イーグルヘッド」の刻印が押印されています。
カリブレカット、適度なオープンワーク、色のコントラストがはっきりしたダイヤモンドとルビーの組み合わせは、まさにアールデコスタイルを象徴するデザイン。特に1920年代はコントラストの強い大胆なカラーリングのものが流行し、ルビーの他にもサファイアやエメラルドといった色の濃い宝石をダイヤモンドと組み合わせたデザインのリングが数多く作られました。
シンセティックルビーはアールデコ期および1940年代に多くのジュリーに用いられました。人工とはいえ、天然ルビーと全く同じ化学組成で生成されており、硬度や性質も天然ルビーと同じです。もちろん宝石の価値としては天然ルビーの方が勝りますが、シンセティックルビーはリーズナブルな価格がらも天然石同様に耐久性があり加工がしやすい、美しい、など利点も多くあります。試しにパリの某老舗アンティークジュエリーショップを検索してみたところ、商品名にルビーが含まれるアールデコ期ジュエリーの在庫のうち、約36%にシンセティックルビーが使われていました。合成・人工だから劣る、というよりはこの時代のアンティークジュエリーならではの個性というイメージの方が強いです。
台座の中央に輝くのは、イエローゴールドの爪に留められた直径約3.2mmの一粒ダイヤモンド。カットはラウンドブリリアントです。その上下のホワイトゴールドの台座上には、4石ずつカリブレカットのシンセティックルビーが留められています。鑑別の結果、そのうち1石が天然のピンクサファイアであることがわかりました。ルビーと(ピンク)サファイアは同じコランダムの宝石であり、鑑別においても色に明確な境界線が定義されていないほど非常によく似た石です。何等かの理由で後の時代に差し替えられたものと思われます。肉眼では他のシンセティックルビーとほぼ同じ色ですが、光の加減や写真の拡大具合によってはやや薄くも見えます。また、台座とショルダー部には合計10石のシンプルなローズカットダイヤモンドがセットされており、白銀の台座の上で煌めく様は優雅そのもの。まさにアールデコの華やかさを象徴したデザインといえます。
マーキーズスタイルのリングは、指を細く、長く見せてくれる効果も期待でき、どのようなコーディネートにも洗練したエレガントさを添えてくれそうです。指輪のサイズ直し(ご購入時初回は無償)をご希望の場合は事前にご相談ください。ご希望のサイズにリフォーム可能かお調べいたします。ご自分のリングサイズの調べ方はこちらの記事でご確認ください。