商品詳細
アールデコのごく初期にフランスで制作された、ダイヤモンドのソリテールリングです。シャンクの素材は18Kゴールド、爪はプラチナで作られています。ダイヤモンドのカットは、オールドマイン寄りのオールドヨーロピアンカットで、原石の重量を最大限に活かすことを目指した、アンティークらしい素朴で可愛らしいスタイルです。
リングを正面からご覧いただくと、ダイヤモンドが大ぶりに見えませんか?実は、本リングのダイヤモンドは0.3ctを少し超える程度の、婚約指輪などに最も使われる標準的なサイズです。ダイヤモンドが本来のサイズより大きく見える秘密は二つ。石に向かって細くなるシャンクと、石の輪郭に収まる台座のデザインです。
本リングのようにシャンクがセンターストーンに向かって細くなるスタイルは、テーパード(Tapered)と呼ばれます。ピンチド(Pinched)やナイフエッジ (Knife Edge)と呼ばれることもありますが、厳密には、「つまんだ」を意味するピンチドは短くなる幅がより短く鋭角なもの、ナイフエッジは断面がまるでナイフの刃のように尖っているものを指す用語。とはいえ、これらの表現は業界でも厳密に区別されずに使われていますので、そこまで呼び名にこだわらなくてもよいかもしれません。
テーパード・シャンク(ショルダー)に挟まれた石は、細いラインとの対比によってその輪郭が際立ち、本来のサイズより大きく見えます。本リングを見ていただければ、その効果は一目瞭然なのではないでしょうか。他のデザイン的なメリットとしては、・重厚になりがちなゴールドリングに繊細な印象を与える、・シャンクのラインが中心に向かって絞り込まれることで視線が横(指の太さ)に流れづらくなり指全体がすっきりと細く長く見える、などがあります。
もう一つ見逃せないメリットは、宝石への光の取り込みです。石近辺の地金が減りますので、側面や斜め下からの光が宝石に入りやすくなり、特にオールドカット・ダイヤモンドのような深さのある石の輝きが増幅されます。なんだか「良いことずくめ」ですね。もちろん、装着される方のお好みで受ける印象は変わると思いますが、繊細なイメージがお好きな方にはうってつけなリングデザインといえるでしょう。テーパード・シャンクのアンティークリングにおける流行の最盛期は、1900年から1920年頃まででした。
ダイヤモンドが大きく見える理由の二つ目は、石のセッティング方法です。本リングの台座を横からご覧ください。王冠を思わせるシルエットであることがお分かりいただけるでしょう。このセッティングは、1900年代の初頭に確立したもので、そのデザインから、コロネット(coronet=小さな王冠)・セッティングと呼ばれます。コロネット・セッティングでは台座のベース部分が比較的小さめで、上から見た時に石の輪郭から大きくはみ出ないという特徴があります。また、構造上その強度が高いため、爪が不必要に大きくならず、そのトップが目立ちません。台座や爪が控えめに石の輪郭に収まるため、純粋にダイヤモンドの輪郭に視線が集中するのです。
テーパード・シャンクをコロネット・セッティングと組み合わせた本リングのスタイルは、1900年代初頭(~1920年頃)に、ダイヤモンドのソリテールリングの標準スタイルとして大変人気がありました。その後、アールデコ様式が本格化するにつれ、プラチナやホワイトゴールドを素材としたバターカップ台座のソリテールリングに人気が移っていったことは、アンティークジュエリーファンの皆さまであればよくご存じの歴史でしょう。このように、1920年頃まではシャンクや台座の存在感を抑えることでダイヤモンドをより大きく見せ、その後は輝きを放つ台座をあえて大きくすることで、大粒の石であるかのように見せる工夫が生まれました。デザインの移り変わりや発想の違いは、興味深いものですね。
シャンクに、18Kゴールドを示すイーグルヘッドの刻印が押印されています。
毎日身に着けても飽きがこない、普段使いに最適のダイヤモンド・ソリテールリングです。サイズを超えたダイヤモンドの存在感もありますが、どこか柔らかい印象があるのは、この時代のオールドカットならではの柔らかい輝きとプロポーションゆえでしょう。気負わずに着けられるソリテールを探している方には、とても相性の良いお品です。“自分のための小さなご褒美”としてもおすすめいたします。
指輪のサイズ直し(ご購入時初回は無償)をご希望の場合は、必ずご注文前にご相談ください。ご希望のサイズにリフォーム可能かお調べいたします。ご自分のリングサイズの調べ方はこちらの記事でご確認ください。