商品詳細
精緻な細工が目を惹く、ゴージャスなデザインのマーキーズリングです。台座にあしらわれた可愛らしい忘れな草モチーフとショルダーのスクロールワークはまさにヴィクトリアンスタイル。時代としてはレイトヴィクトリアン期に制作されたもので、シャンクにはフランスのシャランソン(コクゾウムシ)の刻印が押印されています。シャランソンの刻印は輸入品に押印されるもので、使用時期や対象金属により何種類かのバージョンがありました。本品に押印されているのは1864年から使用されていた、18K以上のゴールドを対象としたものです。
各特徴から本リングは英国製であると思われますが、念のため商品仕様では生産地を「ヨーロッパ」といたしました。
ショルダー部にはこの時代のリングを象徴する、豪華で美しいスクロールワークが施されています。スクロールワークと台座の間にあしらわれている2輪の花がリングの華やかさを一層引き立てており、19世紀前半のジュエリーを彷彿とさせるほどです。マーキーズ型の台座には2mm程度の高さがあり、取り囲む壁に精緻なオープンワークが施されています。まさにザ・19世紀といった趣き。フランスでもナポレオン3世期には本品のような透かしデザインの台座が多く作られました。
台座の上に鎮座するのは本リングのメインモチーフである忘れな草。ベースはゴールドですが、ダイヤモンドが留められている花びらとリーフの上部には1870年頃から西欧のジュエリーでも多く使用されるようになったプラチナが使われています。花の中央に留められているのはピンクサファイアです。当店利用のソーティングではルビーと鑑別されましたが、ルビーとピンクサファイアのちょうど境目あたりに位置づけられる色合いのため鑑別機関によって評価が分かれると思われますので、石種はピンクサファイアといたしました。花びら6枚の上にはローズカットダイヤモンドが留められています。自然界における忘れな草の花びらは5枚であるためジュエリーにおいても5枚のデザインが主流ですが、より華やかさを演出するために、本品のように花びらを6枚としたデザインも見かけます。
ダイヤモンドもサファイアもセッティングはオープンバック。台座に高さがあるのは、デザインの観点だけでなく、宝石に光を取り入れる工夫でもあるのでしょう。3枚のリーフにもローズカットダイヤが留められていますので、使用されているダイヤモンドは計9個です。忘れな草の下部右側には天然真珠があしらわれており、ダイヤモンドだけでは単調になりそうな花のデザインにアクセントを与えています。決して大きなサイズではありませんが、カットハーフが主流であった時代に一つ丸ごと使用するのはかなり贅沢な使い方であるといえるでしょう。
忘れな草モチーフはアンティークジュエリーの中ではヴィクトリアン期のセンチメンタルジュエリーに多く使用されました。亡き人を悼むモーニングジュエリーにおける利用が日本ではよく知られていますが、実は一般的にはより広く愛を表すモチーフなのです。真実で永遠の愛、献身、友情、そして忠誠心などを象徴しています。愛する方へのプレゼントや結婚・交際の記念などにご利用になるのはいかがでしょうか。
指輪のサイズ直し(ご購入時初回は無償)をご希望の場合は事前にご相談ください。ご希望のサイズにリフォーム可能かお調べいたします。ご自分のリングサイズの調べ方はこちらの記事でご確認ください。