商品詳細
19世紀末にフランスで作られたペンダントトップです。
星に見立てた4粒の小さな天然真珠が煌めくのは18Kゴールドの三日月モチーフ。強い光を当てるとイエローにも見えるゴールドの地金は、柔らかな光では19世紀のアンティークジュエリーらしいローズを帯びた優しい色に輝きます。
表面に留められた3つの天然真珠の周囲に施されているのは、星の輝きをあらわす三角形の手彫り細工。三日月の両先端には、その先端部分に挟まれるようにプロングセッティングされた1粒のハーフパールがセットされています。また、三日月フレームのエッジにはミル打ち加工が施され、ペンダントの輪郭を引き立たせるアクセントとなっているのもデザイン上の大きなチャームポイントです。
もう一つの大きな特徴はボリューム感が際立つ厚みと美しい透かし細工。三日月の周囲すべてに透かし細工が施されており、この小ぶりなペンダントにそのサイズを上回る存在感を与えています。いわゆるメダイ系のペンダントトップでは目にすることのない、19世紀のアンティークジュエリーならではの贅沢な作りといえるでしょう。
この小さなペンダントにはたくさんのストーリーや想いが秘められています。
三日月や星をモチーフにしたジュエリーは19世紀中ごろから末までヨーロッパで人気を博し、ペンダントやネックレスをはじめ、リングやブローチなど様々なジュエリーのデザインに使われていました。そのきっかけとなったのは、1830年のフランスによるアルジェリアの植民地化です。
三日月と星はオスマン帝国時代からイスラム教のシンボル。オスマン帝国の創始者オスマンは、夢の中で見た三日月が地球の端から端まで広がっている風景を良い前兆と受け取り、三日月を彼の王朝のシンボルにしたのです。
神秘的でロマンティックな印象を持つ月や星のデザインを用いたジュエリーは、フランスをはじめヨーロッパで瞬く間に一世を風靡しました。イスラム文化は、宝飾品を含むヨーロッパ文化に大きな影響を与えたのです。当店でも販売しているアルジェリア発祥のムーア風ジュエリー(Bijoux Mauresque)も同時期に流行したものです。
ロマンティックで美しい夜空に輝く星をモチーフにしたジュエリーは、美しさだけでなくその神秘性からも人々の心を捉え続けています。現代でもシャネルやクリスチャンディオールなどのグランメゾンをはじめ、現行品のジュエリーにも多くみられ人気がありますね。また、ヨーロッパでは愛や情熱を象徴するシンボルとして恋人や夫婦の間でこれらのデザインを用いたジュエリーを贈る風習があり、今に受け継がれているようです。
本ペンダントのベイルには後付けの18Kゴールドチェーンの環が1つだけ残されています。当店で試してみたところ、細身のチェーンを使用する際はこちらの小さな環に通して頂く方がよりペンダントが安定するようです。カジュアルな雰囲気にしたい時など、革紐や太めのチェーンに通す際は本体のベイルに直接通すなど用途に応じて使い分けができるところも便利ですね。
本ペンダントには、18Kゴールドを示すフランスのイーグルヘッド刻印が押印されています。
※商品写真のチェーンは付属しません。