商品詳細
アンティークジュエリーファンであれば一つはコレクションに入れておきたいカメオのジュエリー。本品はギリシャ神話に登場する青春の女神へーべー(Hebe)と、彼女の父で宇宙や天候を支配する天空神ゼウス(Zeus)の化身である鷲の彫刻が施されたコルネリアン(マンボウ貝)のカメオブローチです。
金属部は全てゴールド製で、表はイエローゴールド、裏面はピンも含めホワイトゴールドとなっています。刻印はありませんが、当店で科学的検査を行い15Kゴールドであることを確認済みです。フレームの周囲には美しい縄模様のデコレーションが施され、その煌めきがカメオの神秘的な美しさを際立たせています。ピンの留め具は可愛らしいデザインの押えが付いたトロンボーンクラスプ。米国で1940年以降急速に利用が広まったことからその年代について誤情報の多いトロンボーンクラスプですが、特許が取得されたのは19世紀中頃です。Cクラスプほどではありませんが、19世紀後半も含め、特にフランスのアンティークブローチでよく使われてきました(本カメオのフレームは1920年頃に作られたものです)。
目を見張るほどの彫りの美しさと躍動感のあるデザインを備えた本カメオの彫刻は、高度な技術で制作されたミュージアムクオリティの出来栄え。もちろん手彫りですので、カメオの下地表面にはお決まりの工具跡が残されています。
コルネリアンカメオの場合、色の濃い背景部分を構図にどう活かすかがキモ。マンボウ貝は15㎝前後と小さな巻貝で色の濃い部分が限られているため、背景全てが色付きになるようにカメオ部材を切り出すことができません。そこで優秀な彫刻師は、できるだけ色が濃い部分を効果的に背景に使うことを目指し、構図を考えるのです。本品はゼウスの鷲とへーべーの体前面が最も引き立つよう構図が組まれ、アンティークカメオならではの繊細なデザインが細部まで丹念に施されています。
特筆すべきはゼウスの化身である鷲の細工の素晴らしさ。羽一枚一枚がリアルに再現されており、首の横からはみ出た羽毛も驚くべき精密さで彫られています。また、光に透かしたカメオ写真をご覧ください。その濃淡から、いかに各部の厚みに注意を払い彫られているかがお分かりになるのではないでしょうか。
ゼウスの横には天上を表す雲に乗った女神ヘーベー。優雅なドレスに身を包み、神々の飲み物とされるネクタールが入った皿を父ゼウスの鷲の口元にやさしく差し出す様子が描かれています。彼女の優美なポーズは、まさに青春の輝きや生命力を象徴したもの。本カメオは、ギリシャ神話の神々の神秘的な姿を生き生きと表現しているのです。
カメオの世界ではよくあることですが、本ブローチは、フレームとカメオ本体の製作期が異なります。入手先ディーラーの情報では、カメオ本体は19世紀中~後期に制作されたものとのことでしたが、少しカーブの入ったノーズの形状から、19世紀末頃に掘られたものであると思われます。1852~1870年に在位したナポレオン3世は、新古典主義の潮流によりカメオに傾倒していたナポレオン1世の影響を受け、彫刻の発展を推奨しました。そのためカメオ人気も再燃し、アールヌーボー期直前まで継続。本カメオはその動向の中で作られたものであると思われます。
アンティークカメオはアンティークジュエリー愛好家やギリシャ神話ファンにとって人気のコレクターズアイテムですが、ギリシャ神話の世界観や歴史の息吹を感じさせる見事な彫刻は、誰をも魅了します。もちろん、装飾品としてもエレガントで魅力的、時の流れを感じさせるカメオブローチは、タイムレスな魅力をコーディネートにプラスしてくれることでしょう。
金属部は全てゴールド製で、表はイエローゴールド、裏面はピンも含めホワイトゴールドとなっています。刻印はありませんが、当店で科学的検査を行い15Kゴールドであることを確認済みです。フレームの周囲には美しい縄模様のデコレーションが施され、その煌めきがカメオの神秘的な美しさを際立たせています。ピンの留め具は可愛らしいデザインの押えが付いたトロンボーンクラスプ。米国で1940年以降急速に利用が広まったことからその年代について誤情報の多いトロンボーンクラスプですが、特許が取得されたのは19世紀中頃です。Cクラスプほどではありませんが、19世紀後半も含め、特にフランスのアンティークブローチでよく使われてきました(本カメオのフレームは1920年頃に作られたものです)。
目を見張るほどの彫りの美しさと躍動感のあるデザインを備えた本カメオの彫刻は、高度な技術で制作されたミュージアムクオリティの出来栄え。もちろん手彫りですので、カメオの下地表面にはお決まりの工具跡が残されています。
コルネリアンカメオの場合、色の濃い背景部分を構図にどう活かすかがキモ。マンボウ貝は15㎝前後と小さな巻貝で色の濃い部分が限られているため、背景全てが色付きになるようにカメオ部材を切り出すことができません。そこで優秀な彫刻師は、できるだけ色が濃い部分を効果的に背景に使うことを目指し、構図を考えるのです。本品はゼウスの鷲とへーべーの体前面が最も引き立つよう構図が組まれ、アンティークカメオならではの繊細なデザインが細部まで丹念に施されています。
特筆すべきはゼウスの化身である鷲の細工の素晴らしさ。羽一枚一枚がリアルに再現されており、首の横からはみ出た羽毛も驚くべき精密さで彫られています。また、光に透かしたカメオ写真をご覧ください。その濃淡から、いかに各部の厚みに注意を払い彫られているかがお分かりになるのではないでしょうか。
ゼウスの横には天上を表す雲に乗った女神ヘーベー。優雅なドレスに身を包み、神々の飲み物とされるネクタールが入った皿を父ゼウスの鷲の口元にやさしく差し出す様子が描かれています。彼女の優美なポーズは、まさに青春の輝きや生命力を象徴したもの。本カメオは、ギリシャ神話の神々の神秘的な姿を生き生きと表現しているのです。
カメオの世界ではよくあることですが、本ブローチは、フレームとカメオ本体の製作期が異なります。入手先ディーラーの情報では、カメオ本体は19世紀中~後期に制作されたものとのことでしたが、少しカーブの入ったノーズの形状から、19世紀末頃に掘られたものであると思われます。1852~1870年に在位したナポレオン3世は、新古典主義の潮流によりカメオに傾倒していたナポレオン1世の影響を受け、彫刻の発展を推奨しました。そのためカメオ人気も再燃し、アールヌーボー期直前まで継続。本カメオはその動向の中で作られたものであると思われます。
アンティークカメオはアンティークジュエリー愛好家やギリシャ神話ファンにとって人気のコレクターズアイテムですが、ギリシャ神話の世界観や歴史の息吹を感じさせる見事な彫刻は、誰をも魅了します。もちろん、装飾品としてもエレガントで魅力的、時の流れを感じさせるカメオブローチは、タイムレスな魅力をコーディネートにプラスしてくれることでしょう。