ロンドン小旅行とヴィクトリア女王

ロンドン ヴィクトリア&アルバート美術館

プライベートで久しぶりに旧友を訪ねるためにロンドンへも足を伸ばしました。まずは、お目当てのヴィクトリア&アルバート博物館へ。ヴィクトリア女王の豪華なジュエリーコレクションは、その美しさに息を吞むほどの神々さで、いつ訪れてもため息が出てしまいます。ジュエリー好きの方に限らず、どなたにも必見です!しかも、入場料が無料だという太っ腹なことには驚かされます。

ロンドン ヴィクトリア&アルバート美術館ジュエリー

アンティークジュエリーを語る上で、19世紀のイギリスのヴィクトリア女王とその夫であるアルバート殿下の存在を忘れることはできないでしょう。ヴィクトリア女王とアルバート殿下の間には、深い愛情と絆を反映する美しいストーリーがあります。

ロンドン ヴィクトリア女王肖像画

ヴィクトリア女王とアルバート殿下は、ともに深い愛情で結ばれながらも、時折別々の公務や活動で離れて過ごすことがあったため、常に互いへの愛情を感じたり思い出すために、互いへの愛を象徴するジュエリーを贈り合う習慣がありました。特にアルバート殿下は、ヴィクトリア女王に対する愛情を込めて、センチメンタルジュエリーと呼ばれる特別なものを贈ることが多かったようです。彼は彫刻が施された宝石やシードパールを使った、特別なメッセージや意味が込められた宝飾品をヴィクトリア女王に贈りました。これらの贈り物は、彼らの愛情や絆を象徴し、離れている間もお互いの存在を感じ合う助けとなったようです。

ロンドン ヴィクトリア女王モーニングジュエリー

ヴィクトリア女王はアルバート殿下の死後も、彼との思い出を大切にし続けました。彼女は夫の記憶を称えるために、黒い宝飾品やアクセサリーを生涯にわたって身に着けておられたそうです。

モーニングジュエリーは、喪失や思慕の念を象徴するためのものす。これは悲しみや哀悼の期間に身につけられることが多く、一般的には黒をはじめとする暗い色合いの宝石や装飾が使われました。特に19世紀のヴィクトリア朝時代に人気があり、亡くなった人への敬意や思慕の念を示すために作られたものです。また、黒いオニキスや黒いエナメルが使用されることが多く、時には髪の毛が織り込まれることもありました。
これはパリでも大流行し、一時、パリの宝飾店は黒一色に埋め尽くされたことがあるそうです。例えば、フランスでは黒い宝飾品の代表例として「フレンチジェット」が挙げられます。流行に敏感で、エレガントでシックな装いを好むパリジェンヌの間でも黒いジュエリーが流行ったわけですね。今回の旅ではパリと南仏でいくつかモーニングジュエリーと出会うことができましたので、よろしければメゾンマエアスオンラインショップをご覧になってみてくださいね!

宝飾品に纏わるストーリーや歴史背景を知ることも、アンティークジュエリーを所有する醍醐味です。美と歴史が調和する ものをより多くのみなさまに身に着けていただけたら!

ロンドン V&Amuseum リング

最後に余談になりますが、パリからロンドンまではユーロスターで約2時間の手軽な旅のはずでしたが。。往復とも大幅に遅延があり、苦い経験となりました。スケジュールがタイトな方にはあまりお勧めできません。パリ⇔ロンドン列車の旅をご計画中のみなさまもくれぐれもご注意くださいね。